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  • 進化からみる人の足部 (ヒトの足部②)

    本日のお話は、前回に続いて『ヒトの足部について』です 特に系統発生学的な側面からお話ししようと思います。と言っても、難しく考えず、簡単な内容となってますので、「そうなんだ~」くらいで見てもらえればと思います! ヒトは唯一二足直立歩行を獲得した種でありますが、それには特徴的な、独特な足の形状が必要です 類人猿であるチンパンジーは二足歩行は可能ですが、歩容はヒトと比べても全然違うわけです。大きく違うのは股関節が伸展しているかどうかです 股関節と足部の関係ってすごく重要です 例えば、Trailing Limb Angle(立脚後期における、大転子から第5中足骨頭へのベクトルと垂直軸を成す角度)やHeel Strike はその一つですね 歩行時の床半力垂直成分を増大させるためには、足部の状態がすごく影響しているわけです そんな風に、歩行の踵接地にはどういう足部の状態がいいのか?立脚中期、立脚後期ではどのような状態がいいのか?を思いながらヒトの足部の特徴を見ていくと覚えやすいかなと思います! では、ヒトとチンパンジーは何が違うのか? チンパンジーに比べて… ✔︎後足部 ・頑丈な逞しい踵骨(チンパンジーは華奢) ・踵骨に付着する長いアキレス腱(チンパンジーは短い) ✔︎中足部 ・横アーチ、縦アーチの存在(チンパンジーにはない) ✔︎前足部 ・逞しい第一中足骨が内転位に位置している(チンパンジーはか弱く外転位) ・中足骨頭が背側にドーム形状をなしている(チンパンジーは掌側) ・推進力を生成する、第1、2中足骨頭が横軸をなしている(チンパンジーは斜め) となっています 二足直立歩行には本当にそういう形状が必要だったのか? 今お話しした比較は現代人であるホモ・サピエンスとチンパンジーを比較したものです じゃあそれだけでは二足直立歩行に必要なのかどうかわからない…と思う方もいるのではないかと思います 実は、私たちの遠い祖先であるアウストラロピテクス・アファレンシス先輩の足跡の化石から、踵接地の存在と、前足部の推進力生成に関与していた痕跡が見つかり、おおよそこの仮説は正しいであろうとされています なので、まぁ確からしいのかな?くらいで思っていてください 以上の系統発生学的知識から、患者さんへの還元としてどのように応用するか? ・踵接地に必要なアキレス腱の状態は? ・立脚中期でのアーチはどうなってる? ・立脚後期で前足部の状態は? そんな風に評価の視点が増える事を願いたいと思います! 足部の介入方法などTikTokやインスタで配信していますので、是非ご覧ください!! Tik Tok: @user3ssjhcic4k Instagram: @neuro_studio2021 次回は、『ヒトの足部について③』もう一度、進化のお話をしたいと思います~!

  • 『ヒトの足部について』

    今回はヒトの足部についてお伝えしようと思います。簡単な内容となるので、復習として見て頂けたらと思います! ヒトの足はとても独特で特徴があります 論文では下記のように紹介されています ✔身体が環境に作用する唯一の部分であり、立位時には支持とバランスを、歩行時には身体を安定させる ✔人間の足は,顕著なアーチの存在によって特徴付けられるユニークな構造である R. J.Abboud 2002 ✔足部は,歩行時に身体と地面の間で力を伝達するための媒介である ✔ヒトの足は、骨、関節、軟部組織からなる複雑な多関節力学的構造で、下肢の生体力学的機能に極めて重要な役割を果たし、内在筋と外在筋の両方によって制御されている Luke A. Kelly 2014 これらは、たくさんある論文の中から の一部ですが、この文章だけでもたくさんの役割があるんだなと感じます 僕自身はその中でも簡単にヒトの足の役割は以下の二つに関与しているものだと理解してます。 ●姿勢の安定性 ●推進力の生成 この2つの役割を機能的にするためにも、足部の解剖学的特徴を理解しておくことが重要だと感じます では足部の解剖学的特徴についてお話します 僕は複雑なことがあまり好きじゃないので、簡単な内容となりますが復習と思ってください 足部は大きく分けて3つのパートに分かれます ✔︎後足部 ✔︎中足部 ✔︎前足部 特徴として、 ✔︎後足部 ・踵骨と距骨で構成される ・大きく頑丈な踵骨にはアキレス腱が付着し、下腿三頭筋の影響を受ける ✔︎中足部 ・中足根骨で構成される ・縦アーチ、横アーチの頂点 ・石垣のような配列で構造上安定している ✔︎前足部 ・内転位に位置した第一中足骨 ・推進力を生成しやすい中足骨頭の横軸 このように解剖学的なパートとその特徴とされています。 もう一つ、解剖学的な特徴として重要なのが、足部のアーチ機能です アーチ機能はヒトが直立二足歩行を獲得するために重要な役割を果たしているとされています それらを理解する上で必要な解剖学的な特徴を簡単にお伝えします アーチも大きく3つに分かれます。 ✔︎内側縦アーチ ✔︎外側縦アーチ ✔︎横アーチ 足底アーチの役割は、 ⑴体重支持の衝撃を和らげる ⑵重なった回転運動を和らげる ⑶支持面の変化に適応する柔軟性 体重支持安定機能を達成するためにアーチは、 ⑴適切な体重支持のために、体重を足全体に分配する ⑵柔軟な足を硬いレバーに切り替えることができなければならない これらの機能が果たされることによって、ヒトは直立二足歩行を獲得することが出来たとされています。 今回は解剖学的な特徴を簡単に述べさせてもらいました 次回は、足部を進化の観点からお伝えします! NEUROスタジオ 施設長 大上 祐司

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